「いつでも相談してね」というパワーワード
ご無沙汰しております。
なんだかんだで2020年になりました。
1月というと、僕は「あっ、もうすく4月だな〜」なんて思ってしまいます。
思い返してみると、僕も4月で19年目に入ろうとしています。
そこで今回は、社会人4〜6年目になるエンジニアの方々へ、自分の失敗した経験を交えてお話していこうと思います。
データベースのお話は今日はお休みです。
割とネタになる話
さて、タイトルにもありますが、みなさんが新卒〜二年目くらいの頃、こんな事を良く聞きませんでしたか?
「いつでも相談してね」
私が「ベテラン」として周りから見られ始めた頃、若い年代の子たちから良く相談を受ける事があります。
「いつでも相談してねって先輩たちは言うけれど、いざ相談しようって思うとしずらくて…。」
それわ聞くと僕は、「その先輩、やっちゃったな〜」と思うわけです。
仕事の依頼と同じ
先輩になってくると、誰しも後輩には嫌われたくないですし、頼られたら嬉しい物です。
なので、目をギラつかせて言っちゃうんですよね。「なんでも相談に乗るよ」と。
例えば、新しい案件のチームにアサインされた直後に、自己紹介と共に言ってみたりして。
でも実はこれ、後輩からしてみたら「作業を依頼された」と同じニュアンスで受け取られてしまう事があるんですよ。
どういうことか?というと、プロジェクトが始まった直後などではチーム内に決まり事ができてくるとします。
そんな中、まだ関係性が出来上がっていないタイミングで、後輩へいろんなアドバイスをし始めるのが先輩ってものです。
そうすると、まだ右も左も良く分からない若手の子達からしたら、こう受け取られてしまうんです。
・毎日17時には進捗の確認がある
・コードレビューは○○さんにお願いする
・何かあったら△△さんに相談する
はい。完全に後輩さんのTODO入りしました。
これではきっと、先輩エンジニアがして欲しい相談とは異質な相談が来るでしょう。
そうすると、先輩エンジニアと後輩さんの間ではギャップが生まれ、だんだんモヤモヤが積り、会話が無くなっていって…という悪循環に陥ります。
「二度と仕事したくない」
ここで私の経験談を少しお話します。
今では若手のエンジニアさんからも頼られたり、相談してくれたりする様になりましたが、私も以前はイキってました。
「自分にこなせない案件は無い。何でも解決できるからいつでも誰でも相談してきてよ!」と。
私が初めてプロジェクトリーダーになった案件では、新人さんが2人いて、三ヶ月ちょっとの小さな案件でした。
進捗の遅れは無し。納品物も間違い無し。リリース後もトラブル無し。一見何の問題も無いプロジェクトでしたが、先輩エンジニアとしては大きな間違いをしていたんです。
元々相談されるのは好きなので、「いつでも相談してね」というのはしょっちゅう伝えてました。
でも、後輩に知識で先を越されたくない、負けたくないという思いも強く、舐められたくないという思っていたがために後輩へは高圧的な態度だったんです。
その結果、プロジェクトが終了した後、反省会の場で後輩が口を揃えてこう言いました。
「もう二度と■■さん(私のこと)とは二度と仕事がしたくないです。」
もうね、頭が真っ白です。自分としては、コミュニケーションもしっかり取れていたと思っていたのに、いつの間にか一方通行だったんです。
ちょっと人間不信に陥りそうでした。
肩肘張らずに行きましょ
過去にそんな経験をさせてもらったがために、今では背伸びすることをやめました。
自分が先輩だとしても知らないものは知らないし、自分より知識が豊富な後輩だっている。
だから、「自分が先輩」だとか思わずに力を抜いて後輩たちと接しよう、と。
もっとみんなに自分を知ってもらおうと思うようになりました。
そうしたら、自然と後輩から声をかけてもらえるようになったんです。
そこで自分は、「今までは頼れる先輩を演じていたんだな」と気づくようになりました。
「いつでも相談してね」なんてパワーワード、使う必要なかったんです。
後輩だって仲間です
一緒の現場で頑張っている後輩は、後輩であると同時に仲間なんですよね。
それに気づけなかった自分が情けない。
だから、あのとき厳しい事を言ってくれた後輩にも「ありがとう」と伝えたい。
今日も今日とて、一緒に頑張っている人たちと、しょーもない会話して笑いながら仕事をしていきたいですね。